成長期の子供たちはどのように体幹を鍛えればいいのか考える。
A。人工的トレーニングではなく環境を作ること
プランクやドローインなどの体幹トレーニングは機能不全になった体幹を基に戻すものです。障害のない子供たちには、別の方法で体幹を鍛えることを考えなければなりません。
赤ちゃんが成長する段階で寝返り、はいはいと可能になるのは、他でもない体幹の発達によるものです。人工的なトレーニングは頭で多少理解をしても子供たちには体で表現することは大変難しいものと思います。
現在の子ども達が、走ることが遅かったり、遠くにボールを投げることができないのは、幼少期に体幹を使う遊びをしてこなかったことが原因と考えられるのではないでしょうか。つまり、子ども達の体幹トレーニングに必要なことは、体幹を鍛える環境づくりが最も優先すべきことなのです。
B.いかに無意識に体幹を安定させるか。
我々が子供の頃は高いところからジャンプして着地をするような遊びをしていました。ところが現在では、そうする子供を見かけると自分の子どもでなくても、大人が制止します。ジャンプして着地をするには体幹に力を入れ膝を上手に曲げて行わなければなりません。遊びの中で低い高さから始めて、徐々に高くしていくことを当たり前のこととして子供は学んでいきます。これを習得できない子供は、走って前方に転倒した際に、手をつくことはできても、体幹が弱いために、頭を支えることができないため、額を強打します。
最も効果的な運動はベアウォ―ク(熊歩き)で、赤ちゃんのはいはいに当たりますが、お尻を振らずに四肢を体格に動かすことが大切です。また、公園のジャングルジム等の遊具を使って、遊びまわることも無意識に体幹を鍛えることができます。意識のしない体幹トレーニングが、長続きするこつと思います。
C.人工的なトレーニングはNGか?
幼少期から特定のスポーツばかりをやっている子供たちは競技種目で右のみを使ったり、左だけを使ったりする傾向が生じる可能性があります。この場合は、人工的な体幹トレーニングで左右のバランスを調整することで、より高いパフォーマンスを得ることができます。また、一つの競技だけを行うことなく、複数の競技を経験することが、将来専攻する競技に、良い影響を与えることも充分に考えられます。
参考資料 友岡 和彦 コーチングクリニック 2017年 10月号