オーバートレーニング症候群
2017.05.30更新
オーバートレーニング症候群は過剰なトレーニングにより運動能力の低下や疲労症状が持続し、簡単には回復しない状態を言います。慢性疲労症候群と同じような症状を呈します。
慢性疲労症候群になると、高率でうつ病を併発し、オーバートレーニング症候群でも重症では、不眠と抑うつが見られます。つまり、重症化すると脳の異常を引き起こし医学的な治療を要するようになります。
不眠や抑うつ状態が観察されたら、指導者は単に練習を休ませるのではなく、良く診てくれる医者に治療を受けさせるべきです。
急性の疲労であれば、短期間の休息期間で体力の低下も無く、短期間で元の状態に回復しますが、慢性化している場合は、身体機能の低下もかなり存在するので、休息後の練習強度は低く設定しなければなりません。
また、風邪を引いた後で体力が戻らない場合がありますが、実は風邪をひく以前にオーバートレーニング症候群になっていて、体調不良から風邪を引く場合があり、そのことを知らずに、風邪が治っても体調が戻らずに悩むことがあります。
オーバートレーニング症候群には競技特性があり、特に長距離の陸上選手によく見られます。練習の負荷が大きく、良い記録を出すたびに練習量が多くなっていくことに落とし穴があると考えられています。体力が回復しないままに練習を頑張ってしまう傾向があります。
体温や脈拍の上昇、尿たんぱくの検出などで発見できることがあり、医療側は、状態を把握し、選手に治療期間を明確に説明し、通院しながら練習量を調整し、選手の状態を良く観察しなければなりません。
参考:川原 貴 コーチング・クリニック 7月号 2017年
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