2015.08.31更新

ピッチングについて様々な理論があり、個々の投手コーチがそれぞれの経験を元に指導しているのが現状であり、誤った指導に陥りやすくなっている。


肘が下がっているから「だめだ」と指摘しても、その指導法がわからず、必要以上に肘を上げてしまい、投手のパフォーマンスを落としたり、逆に怪我を誘発したりする。


ここでは、ピッチングの本質を説明し、現場で投手を指導しているコーチの役に立てば
幸いだと考える。また本編では右投手を例としている

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

ピッチングは体重移動となる並進運動と体幹の捻り動作の回転運動にわけられる。この2つの要素がうまくかみ合った時に素晴らしい速球を投げることができる。

アマでは並進運動が下手なため、回転運動や腕を振ることだけに頼ったフォームになり、手投げの状態となる。球速の60%は並進運動に依存していることを忘れてはならない。

また、並進運動をする際には、ヒップファーストを意識して移動距離を長くしないといけない。前脚がすぐに接地すると十分な並進運動が得られないために、高く上げた前脚の位置エネルギーが無駄になる。また前脚が接地する際には頭部が身体の軸より前方に出てはいけない(突っ込まないこと)。
前脚が接地する際には両肘と両肩は水平に捕手に向かって一直線上になければならない。
また左上腕は内旋して左肩が開かないようにする。


左股関節内側を中心に行う回転運動は左前脚が接地してから、一気に加速して行う。
この時に右上腕に決して力を入れてはいけない。左肘を後下方に引いて誘導し、体幹の回転だけを意識して行えば、右上腕は自然と前方に繰り出して、鞭のようにしなって投球ができる。

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

前脚部の接地時には必ず捕手に向かって、一直線上に両肩と両肘が位置しなくてはならない。視線は左肩上から捕手に向かう(エイミング)。

エイミングの時は左上腕をしっかり内旋させてトップを作り、次に一気に斜め後方に左肘を引いて、体幹の回転を誘導する。同時に左股関節を軸とした体幹の回転運動を開始して、右腕を引き出して右腕にしなりを作る。

回転運動が終了する直前には、前脚に体重を乗せて、放たれるボールにスピンをかけるように示指と中指でボールをカットする。

 

並進運動に連動した腕の位置 その1

 

並進運動に連動した腕の位置 その2

 

並進運動に連動した腕の位置 その3

 

並進運動に連動した腕の位置 その4

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

一般に手投げといわれる投手は必要以上に肘を上げすぎていることが多い。


右肘を上げれば良いフォームでスピードが出ると勘違いをしている指導方法にも問題はあるが、腕を上げすぎることによりモーメントアームが短くなることを考えれば、腕は体幹の軸に垂直に近いほうが効率が良い(モーメントアームが長くなる)ということは一目瞭然である。

 


a.両肘、両肩を一直線上に置いてトップを作り左肘を斜め後方に引いて体幹の回転を誘導すし、左股関節の軸を意識して右腕を振り下ろす。(両膝をそろえる)

腕の振りを作る練習 その1

腕の振りを作る練習 その2

腕の振りを作る練習 その3

 


b.両足をそろえてaの動作を行う。股関節の自由度が増すため、体幹の回転と股関節の軸回転が行いやすくなる。
腕の振りを作る練習 その6
腕の振りを作る練習 その7
腕の振りを作る練習 その8


c.投げる方向に両脚を前後に置き、右脚に体重を乗せた後、体重移動を行いながらaの動作を行う。より実際の投球に近づくため、フォームを崩さないように心掛ける。

腕の振りを作る練習 その6
腕の振りを作る練習 その7

 


d.セットポジションから始め、ヒップファーストを意識して並進運動を行う。この時、元のフォームに戻らないようにしっかり行うことを心掛ける。

腕の振りを作る練習 その8
腕の振りを作る練習 その9
腕の振りを作る練習 その10

 

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

体幹の回転は意識するだけでは充分には得られません。リーディングアームを効率よく使うことができなければ、体幹の回転不足になり投球腕を前方に引き出すことができなくなる。
つまり、リーディングアームの使い方次第で速球が投げれるか左右される。

 

 

a.エイミング時に左肩の内旋と左肘を後下方に引き寄せ、投球腕の肘も同等に後方に
引き寄せる。胸の張りを確保する。

b.さらに左肘が後方に引かれると、肩の内旋が解除され、広背筋の収縮とともに
体幹の側屈と回転運動が始まり、両肩の回転が開始する。

c.左肩と胸部の境界が回転軸となり、投球腕の前方移動と腕の加速の支点と
なります。

 

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

投球腕が前まわし、リーディングアームが後まわしであり、この2つがうまく共同作業を行えば、効果が得られると考えます。下記のドリルを行うことで両肩の動きがスムーズになり、体幹の軸回転が良くなることが期待されます。

 


a.写真のように、両腕を対照的に回して肩甲骨の動きを出していく。
肩回しドリル その1
肩回しドリル その2
肩回しドリル その3
肩回しドリル その4
肩回しドリル その5

 

 
b.体幹の回転は行わないで、エイミングや体重移動を行い、投球動作をイメージする。 
肩回しドリル その6
肩回しドリル その7
肩回しドリル その8

 


c.体幹の回転を行い、リーディングアームの肘が背中に回ると同時に投球腕が外旋しながら胸の張りを作っていく。その後に体幹の回転運動が始まる。
肩回しドリル その9
肩回しドリル その10
肩回しドリル その11
肩回しドリル その12


投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

前脚が接地するまで骨盤の回転は行わず重心を移動させることが下半身に求められる動作である。


軸脚の股関節の屈曲を伴い、体幹を後傾させないで真直ぐに股関節を移動させることが大切であり、膝の屈曲も股関節の屈曲と連動させなければ左肩の開きを誘発します。


エイミングがしっかりと行えなければ、並進運動は行えていないと考えなければなりません。エイミングの崩れは左肩の開きが早くなり、投球腕の動きを早め、球離れが早くなり十分な球速が得られません。

ヒップファーストは並進運動に欠かせない技術となります。しかしこの状態は重心を支える軸脚が後方に残るため、極めて不安定な状態となります(オフバランス)。
この不安定な状態を持ちながら並進運動を行い、前脚を接地でき、体重を乗せることができれば、次に起こってくる体幹の回転運動の完成で素晴らしい速球が生まれます。


一般に投手は、安定した並進運動を好みますが、このオフバランスを克服した時に初めて、理想的な投球フォームが完成するでしょう。

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

2015.08.31更新

a.左手を内旋させて柱をつかみ、右股関節をドローイングしてヒップファーストの体制をつくる。
ヒップファーストの練習 その1

 


b.エイミングをしながら30度の角度で左脚を後方に上げて骨盤を開かないで並進運動を行う。この時オフバランスの感覚を意識して左脚を自然落下させる。
ヒップファーストの練習 その2
ヒップファーストの練習 その3
ヒップファーストの練習 その3

 

 

c.自然落下ができずにバランスを保とうとしてしまう場合には、始めから後方に軸足を向けてバックステップを行います。かかとで地面を押すために、軸脚が曲がることなくオフバランスの感覚がつかみやすくなります。
ヒップファーストの練習 その6
ヒップファーストの練習 その7

 


d.実際の投球で意図的にアウトステップを行い、ドローイングの方向と一致させることで並進運動を楽に行えます。右肩を直線的に引き出すために左肩の後方への引き込みと体幹の回転運動がより行いやすくします。
ヒップファーストの練習 その7
ヒップファーストの練習 その8



追記
平成21年12月24日講演した内容をかなり要約したものとなっています。
質問のある方はメールや夜間トレーニングの時間に来ていただきご説明いたします。

投稿者: ベースボールクリニック 北城整形外科

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